大学三年生の時のゼミの友達からプレゼントされたのは、毛糸で編まれた黒の帽子でした。

当時バッグパッカーとして海外をぐるぐる回っていました。

近く学校をまたしばらくサボって、次はあえて寒い地域にターゲットを絞っていくつもりにしていました。

ロシアのウラジヴォストークからモスクワを回って、カナダまで飛んでそれから帰ってくるという計画を飲み会で話していまして、その一ヶ月後あたりに、ゼミのある子から手編みの帽子をもらいました。

彼氏のいる子からのプレゼントに、一瞬ドギマギ

手編みの帽子なんて普通はもらえることはありません。

ないので、ひょっとしてこれは自分のこと好きなのではないかな、と勘違いしてしまいました。

でも、その子にはすでに彼氏がいたので、そんなわけが無いと首を降りながらも、貰ったその夜に考え込んでしまいました。

極寒の地では毛糸の帽子は役に立たず・・・

三週間ほど大学をサボって、また海外へ飛び立った訳です。

プレゼントにもらった、その黒の毛糸の帽子を試しに現地でかぶってみたのです。

が、ロシアは想像以上に寒く、吐く息も真っ白で鼻水も凍るような場所でした。

なので、手編みの帽子なんて全く役に立つ事がなかったです。

編み方もかぶってみるとスカスカで暖かくなく、結局現地で購入した毛皮の帽子をかぶっての長旅となりました。

捨てる訳にもいかないので、バッグの中にとりあえずかさばらないように押し込んで過ごしました。

帰ってからどう手編みの帽子が役に立たなかったかを説明したらいいかと戸惑っていました。

しょうがないのでウソの感想を送りました。

ゼミの周りには、その子から手編みの毛糸の帽子をプレゼントされたといいづらく黙っていました。

変に噂になったら、その子の彼氏に悪いです。

なので、帰ってきてから毛糸が役に立たなかったかの話を誰とも共有することが出来ず、結構孤独な体験をしました。

 

結局、散々悩んだ挙句に、そのプレゼントしてくれた子に一言メールで

「とても温かくて役に立ちました」

とウソの感謝の意を伝えて終わらせました。

中々貴重な体験でした。